いつでも夢を TOKYOオトギバナシ

″「戸田さん」
と武藤は声をかけた。
「――人生は、虹ですか?」微笑って、尋ねてみた。
「――ああ、それ」
とジローは応えた。「――いや、なんとなく、思いついただけで」――"『いつでも夢を TOKYOオトギバナシ』より抜粋
スタイル:ハードカバー
評価:☆☆☆☆
夜、雨が降っている。その中を、傘も差さずにただ一人の女がびしょ濡れになりながら、レンガ造りの植込みの端に、ぼんやりと座っている。・・・・・・こんなシーンから始まる物語。先を読みたくなる。彼女は何故、雨の中、傘も差さずに座り込んでいるのか。その理由を知りたくなる。
ただ、読み進めていくうちに、何となく先が見えてしまったのが少し残念だ。登場人物に関しても、上手く描ききれていない人がいて、それが最後まで引っかかった。
けれど、僕はやっぱりこの作家が描き出す一人一人の人間模様が堪らなく好きだ。人が生きていくということに対して、とても率直に書かれている。人は楽しさの裏に悲しさを持っている。楽しい時間があれば、それと同じ比率で悲しい時間がある。それを忘れてしまって、悲しい時間にばかり目を向けたり、その逆で生きたりすると、どこかで、「虚しさ」が漂ってくる。
僕たちは、喜びも悲しみも全てひっくるめて歩いていく・・・・・・そうやって生きていくしかない。でも、誰だって一人じゃない。いつか誰かに助けられたように、あなたもきっと誰かを助けている。そうやって世界は成り立っている。そのことが、とても素直に感じられるやさしく素敵な物語。

″「戸田さん」
と武藤は声をかけた。
「――人生は、虹ですか?」微笑って、尋ねてみた。
「――ああ、それ」
とジローは応えた。「――いや、なんとなく、思いついただけで」――"『いつでも夢を TOKYOオトギバナシ』より抜粋
スタイル:ハードカバー
評価:☆☆☆☆
夜、雨が降っている。その中を、傘も差さずにただ一人の女がびしょ濡れになりながら、レンガ造りの植込みの端に、ぼんやりと座っている。・・・・・・こんなシーンから始まる物語。先を読みたくなる。彼女は何故、雨の中、傘も差さずに座り込んでいるのか。その理由を知りたくなる。
ただ、読み進めていくうちに、何となく先が見えてしまったのが少し残念だ。登場人物に関しても、上手く描ききれていない人がいて、それが最後まで引っかかった。
けれど、僕はやっぱりこの作家が描き出す一人一人の人間模様が堪らなく好きだ。人が生きていくということに対して、とても率直に書かれている。人は楽しさの裏に悲しさを持っている。楽しい時間があれば、それと同じ比率で悲しい時間がある。それを忘れてしまって、悲しい時間にばかり目を向けたり、その逆で生きたりすると、どこかで、「虚しさ」が漂ってくる。
僕たちは、喜びも悲しみも全てひっくるめて歩いていく・・・・・・そうやって生きていくしかない。でも、誰だって一人じゃない。いつか誰かに助けられたように、あなたもきっと誰かを助けている。そうやって世界は成り立っている。そのことが、とても素直に感じられるやさしく素敵な物語。







