迷宮百年の睡魔

″だいたいいつも、普段から、僕は自分のことがよくわからないのだ。
自分がどうしたいのか。
何を望んでいるのか。
笑いたいのか、それとも泣きたいのか。
生きたいのか、それとも死にたいのか。
全然分かっていない。――"『迷宮百年の睡魔』より抜粋
スタイル:小説(ハードカバー)
評価:☆☆☆
前作「女王の百年密室」よりも、やや謎解き的展開を見せている。けれど、種明かしは、通常のミステリ的展開を予想していると、とんでもなくがっかりさせられるので、これはやはりミステリではない。もちろん、ストーリー的には、面白かったけれど。
このシリーズも、「スカイクロラ」シリーズも、主人公が何かと生きることに積極的ではない。かと言って否定的でもない。「生きる」というよりも「生きてしまっている」というような印象。
考えてみれば、誰もがこの世界に生きようと思って生まれてきたわけではない。僕はもしかしたら日本人ではなかったかもしれないし、人間でさえなかったかもしれない。そもそも、生物としてこの世界に存在さえしなかったかもしれない。そういうことを考えていると、ただの偶然で僕はこの世界に生まれてきているのだということが分かる。けれど、だとしたら僕は何故生きているのだろう。そういう疑問が生まれないはずは無い。
結局、その問いに対して答えは出ない。きっと無いと思う。いやそんなことは無い、私はこういう目標があって生きているんだ、と言える人は、幸せだ。それで良いと思うし、否定はしない。ただ、僕にはそういう考え方が今のところどうしてもできない、それだけ。
けれど、答えが出ないからと言って、それを求めていないわけじゃない。いつだって、それに近い答えを求めて、ある時は本当にそれが答えだと確信して安心して眠りに就く。けれど、そのこと自体もやがて記憶から消失して、僕はまた不安になる。その繰り返しだ。
森博嗣の小説には、そういったことを考えることを放棄していない登場人物たちがよく出てくる。だから、僕は彼の作品が好きなのだと思う。読んでいて、違和感がない。同調できると言うのか。
このシリーズは3部作で、次作がまだ出ていない。どのような感じで終わるのか気になるので、次作もきっと読むだろう。

″だいたいいつも、普段から、僕は自分のことがよくわからないのだ。
自分がどうしたいのか。
何を望んでいるのか。
笑いたいのか、それとも泣きたいのか。
生きたいのか、それとも死にたいのか。
全然分かっていない。――"『迷宮百年の睡魔』より抜粋
スタイル:小説(ハードカバー)
評価:☆☆☆
前作「女王の百年密室」よりも、やや謎解き的展開を見せている。けれど、種明かしは、通常のミステリ的展開を予想していると、とんでもなくがっかりさせられるので、これはやはりミステリではない。もちろん、ストーリー的には、面白かったけれど。
このシリーズも、「スカイクロラ」シリーズも、主人公が何かと生きることに積極的ではない。かと言って否定的でもない。「生きる」というよりも「生きてしまっている」というような印象。
考えてみれば、誰もがこの世界に生きようと思って生まれてきたわけではない。僕はもしかしたら日本人ではなかったかもしれないし、人間でさえなかったかもしれない。そもそも、生物としてこの世界に存在さえしなかったかもしれない。そういうことを考えていると、ただの偶然で僕はこの世界に生まれてきているのだということが分かる。けれど、だとしたら僕は何故生きているのだろう。そういう疑問が生まれないはずは無い。
結局、その問いに対して答えは出ない。きっと無いと思う。いやそんなことは無い、私はこういう目標があって生きているんだ、と言える人は、幸せだ。それで良いと思うし、否定はしない。ただ、僕にはそういう考え方が今のところどうしてもできない、それだけ。
けれど、答えが出ないからと言って、それを求めていないわけじゃない。いつだって、それに近い答えを求めて、ある時は本当にそれが答えだと確信して安心して眠りに就く。けれど、そのこと自体もやがて記憶から消失して、僕はまた不安になる。その繰り返しだ。
森博嗣の小説には、そういったことを考えることを放棄していない登場人物たちがよく出てくる。だから、僕は彼の作品が好きなのだと思う。読んでいて、違和感がない。同調できると言うのか。
このシリーズは3部作で、次作がまだ出ていない。どのような感じで終わるのか気になるので、次作もきっと読むだろう。


